こんにちわ。チーフアナリストの奥村尚です。
私は、長い間、大手証券会社の投資手法開発部門においてシステム開発に携わってきました。スタンフォード大教授であったDr.Sharpe(1990年ノーベル経済学賞)らとも共同でモデル開発も手がけました。そうしたノウハウを用いて世界最大の情報ベンダー(株式や為替、経済などに関する各種ニュース、世界の最新情報などを提供している配信元) と開発を行った投資手法があります。
その手法がもたらすアウトプットは単純ですが明確で高い効果があります。
相場の上昇時はもちろん、もみ合い時にも、下落時にさえ、個別にみると上がる銘柄があるものです。
東証上場会社は、一部だけで1904社、二部やマザーズなどを入れると、合計3488あります(2015年10月5日東証HPより)。その中から、どれを選べばよい投資ができるのでしょうか?それを確度高く割り当てる分析手法があります。
私が求めるのは、だれがやっても同じように効果があり、よい結果がでる手法でした。受験でいうと'試験に出る英単語'のような、王道にして定石です。
定性分析とは、企業の哲学、人事制度、社風、環境に対する取組、社長の人脈や学閥などといった情報をもとに、現在の状況が将来も継続するか否かを推測するものです。長期スタンスでの投資に有効とされていますが、数値化が難しく、上場全企業を対象に取り組むには情報入手を含めて無理があるでしょう。
※クォンツとは、統計的・計量的な方法や科学的・工学的な考え方を駆使して、株式などを分析・評価する手法です。 たとえば、莫大な情報量の株価データや企業の財務データを、コンピュータを使って高速処理して分析したり、複数の金融資産のリスクをコントロールしながら高いリターンが得られるモデルやシステムを提供したりします。
定量分析は、大手証券会社を中心に進化を続けてきました。特に市場インデックス連動型ポートフォリオを作るには最高の手法です。しかし、この個別株に投資を行い、市場を上回るリターンを狙うのはクォンツでは無理があるでしょう。天才を集めたLTCMでも最終的には失敗したわけですから。'どんな相場環境においてもクォンツだけで勝てる数式手法'は開発できない、ということです。そのため、我々は新たな手法を開発しました。
どちらも有効な手法です。しかし、それぞれに奥が深く、習得した人それぞれ、手法それぞれで投資判断が異なります。
私の方法は明確です。機関投資家と呼ばれるプロ投資家が利用する情報、つまり証券会社の発表するアナリストレーティング(投資判断)を利用します。
そんなもの当たらない、と思っている方、本当にアナリストレポートを読んだ事があるでしょうか?
大手証券会社に所属するプロのアナリストレポート。
ファンダメンタルな要素を中心に定性的な要素も定量的な要素も入っているレポートには、結果として担当アナリストの投資判断が必ず数値化されて掲載される、非常に有益な内容です。
しかし、大半は年金や保険、事業会社などいわゆる機関投資家向けであるため、高度な内容であり、個人投資家には入手が難しいのです。特に外資系証券会社のレポートは、個人相手のビジネスを日本ではしていないため、そもそも出回ることはありません。
とはいえ、当たらない投資判断があるのは事実です。証券会社全体としては数百人もいて、毎週数百から千を超えるレポートが発表されるのですが、投資判断がニュートラル(あがりも下がりもしないと予想するレポート)は投資家には'投資しない判断'には役立ちますが、投資する場合には役に立ちません。強気の投資判断のレポートにはそそられますが、実際にはその多くは当たっていません。
そこで、私は、全ての投資判断を、独自モデルを用いて当たる確率を計量分析するモデルMRAを開発しました。MRA(Micro Ratings of Art)は、証券アナリストが発表する全銘柄を分析し、その当確度を推計します。投資判断の当確度を推計することで、高いパフォーマンスを上げるであろう銘柄を提示することができるのです。
市場を上回るリターンを得られる確率は素晴らしいものでした。もっとすごいのは、ポートフォリオとしては元本割れしづらい事です(バックテストを行った2000年以降、1年単位で一度も元本割れなし.
平均リターン30%超)。その情報を、一般投資家向けに提供いたします。
(東証プライム銘柄が中心になるため、200連勝とか、60万円が3億円になるような魔法のような効果はありませんので、ご注意ください)
MRAでは、レーティングデータを標準化し、それを定量評価します。次のようなstepです。
1.アナリストが分析を行い数値化した目標株価はアナリストの会社ごとに異なる基準で表記されるので、独自基準により統一し修正します(MRA リファレンスポイント)。
2.1.をMRAが一定のアルゴリズムで定量評価します。
アルゴリズムとしては、実際にあたっているか否か、を市場の動き(市場全体、セクターの動き、レポート前と後の動き、短い瞬間と長い時間、のあらゆる市場の動きを出来高、株価で)観察し、評価します。特にセクター評価は、企業の売り上げ構成に基づいて複数のセクターに分ける高度で複雑なものです。
3.最終的に、すべてのレーティングレポートに対し、偏差値(MRAスコア)で評価を下します。
①MRAスコアが高いものは目標株価を達成する期待値が高い,
②期待リターンが大きいものは、MRA目標株価が今の時価より大きい。
という単純なものになり、特に1&2を満たす銘柄を、数本から10数本セレクト
し、毎週推奨リストとして発表します。